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2014年3月 6日 (木)

【朝日新聞】井上勝生「日本軍は東学農民軍をことごとく殺戮した」

●井上勝生 北海道大学名誉教授
■明治日本の史実の直視 必要

 1995年、北海道大学古河講堂に複数の古い頭骨が放置されているのが見つかった。
一体には「髑髏(どくろ)」という書き付けが添えられていた。韓国・珍島(チンド)で、1906年に「採集」された遺骨だという。
珍島で東学党主導者「数百名」が殺され道に横たえられ、「首魁(しゅかい)者」たちは梟(さら)し首、その一体だと記されていた。

 古河講堂は文学部の所管で、文学部教授だった私は遺骨の調査委員になった。
調査の目的は、遺骨の人物を探ることと、東学農民戦争の実際の姿を明らかにすることだった。

   ◇  ◇  ◇

 東学は1860年に崔済愚(チェジェウ)が創始した。その思想は「人すなわち天」というもので、貴賤(きせん)、男女、老幼の平等も唱えた。
今では韓国の多くの人々の尊敬を集めており、民主化運動に参加した研究者たちが私の調査を援助してくれた。

 遺骨の人物特定はかなわなかったが、歴史の解明では成果があった。
昨年、出版した『東学農民戦争と日本』(共著、高文研)と、『明治日本の植民地支配』(岩波現代全書)で、それらをまとめた。

 1894年、「東学党」は朝鮮政府に改革を求めて朝鮮南西部で激しく蜂起した。
これに対して清国軍と日本軍が朝鮮に入り、危機を感じた東学農民は地元に退いたが、日本は、日清戦争へとつき進んだ。

 歴史教科書で、「東学党の乱」が、このように日清戦争の「きっかけ」と説明されていたのを覚えている方も多いのではないか。
「東学党の乱」は、今は甲午農民戦争や東学農民戦争と呼ばれているが、先ほどの書き付けの凄惨(せいさん)な情景は教科書にはない。
記述が不十分なのである。東学農民戦争は、日清戦争の「きっかけ」だけのものではなかった。

 日清戦争で、朝鮮を進軍路とし、朝鮮政府を武力も行使して抑圧した近代装備された日本軍。
それ対して、東学農民は、再び大蜂起した。この蜂起は、朝鮮ほぼ全域をおおった。
日本軍も朝鮮全域に展開し、東学農民軍を南西の海岸線へ追いこんで「ことごとく殺戮(さつりく)」した。
第二次東学農民戦争、または第二次甲午農民戦争という。

 こうした殲滅(せんめつ)作戦の締めくくりこそ、朝鮮南西端にある珍島の、遺骨「髑髏」の書き付けに記されたような修羅場だった。

   ◇  ◇  ◇

 しかし日本の植民地支配時代、蜂起した東学の一族と子孫は「逆賊」として差別され、
一方、日本の参謀本部編纂(へんさん)の公式戦史『明治二十七八年日清戦史』から農民軍殲滅作戦はすべて抹消された。
今の教科書で、東学農民戦争がきっかけとしてしか書かれないのは、ここに始まる。

 だが防衛省防衛研究所には、作戦の史料が大量に残されている。
すでに実証的な研究書も刊行されており、家永教科書裁判で、家永三郎氏は「日清戦争時の朝鮮人民の抵抗」を記述することを争った。

 私は、兵士たちの出身地で、一兵卒の長大な「陣中日誌」も見いだした。
そこには、東学の村を「焼き棄」て、農民を捕らえて「拷問し」、「銃殺」して死体を「焼き捨」て、藁火(わらび)で「焼殺」し、
銃剣で「一斉動作」、「突き殺」したといった記述がある。

 日清戦争時、民族の命がけの蜂起と凄惨な殲滅があった。日清戦争とその戦勝は、日本の美しいサクセスストーリーではなかったのである。

 幸い今、新課程の教科書では、一部だが、朝鮮農民の蜂起と日本軍の弾圧の記述がなされ始めている。
旧帝国日本の、その終末を思い起こせば、明治日本のこうした史実、その直視こそ、必要だったはずである。

   ◇

 1945年、岐阜県出身。専門は幕末・維新史。主な著書に『シリーズ日本近現代史1 幕末・維新』(岩波新書)など。

ソース 朝日新聞 2014年03月04日
http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20140304011190001.html

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